アストラル界

アストラル界」とは、物質世界(現実世界)の裏側にある非物質的な世界です。
マナと呼ばれる魔力の源に満ちており、第六世界で起こる全ての魔法的な事象の大元とも言えます。
通常の人類には知覚できず、魔法使いのような一部の覚醒者だけがその姿を垣間見ることが出来ます。

アストラル界の姿

アストラル界は膨大なマナで満ちており、現実世界の「影」が色鮮やかに映し出されています。
呪文を使えばマナの揺らぎで波形(霊紋)が生まれ、現実世界の環境の変化によって歪みや淀み(背景放射)が生じます。

背景放射

自然環境の変化や大勢の人間の感情の発露、あるいは特定の魔法様式に適合したことで、マナが通常の状態から変質してしまった状態です。
環境に不慣れな覚醒者はマナを操るのが難しくなります。
背景放射を引き起こす一例
  • 深刻な環境汚染、戦争、殺人の現場
  • 熱狂に湧くスタジアム、魔法研究施設、刑務所
  • 歴史ある教会、寺社。ピラミッドなどの儀式的な遺構

現実世界への影響

アストラル界は現実世界と密接にリンクしており、相互に作用して様々な事象を引き起こします。
魔法使いアデプトはアストラル界のマナを操ることで呪文の行使や肉体の強化を行います。
マナの影響を受けて魔力を宿した生物は覚醒生物」と呼ばれ、第六世界の形成に大きな影響を及ぼしました。

アストラル裂溝

いわゆる次元の裂け目で、精霊などが棲む上位次元界(メタプレーン)と地球の境界が弱まった場所です。
非覚醒者が上位次元界に渡る唯一の手段ですが、帰れる保証はありません。
ウォーターゲート裂溝
ダンケルザーンの爆殺現場、ウォーターゲートホテル前に生じた巨大なアストラル裂溝です。
2073年に裂け目が閉じるまで、シェディムやグレートドラゴン「ゴーストウォーカー」など数々の厄介な訪問者を招き寄せました。

マナ嵐

マナの氾濫により引き起こされる巨大な魔力の嵐です。
嵐を構成するマナの種類によって電気や炎など様々な特性を帯び、現実世界、アストラル界双方に深刻な破壊を引き起こします。
チベットを覆う「マーヤ」や、シドニー近海のものが特に有名です。

アルケラ

現実世界に突如現れては消える、アストラル的な構造物です。しばしば実体を持ち、実際に触れたり歩きまわったりすることも可能です。
山や湖などの自然地形であったり、建造物であったり様々ですが、なんらかの歴史的イベントに関わる構造物が多いようです。

アストラル界の住人

アストラル空間で自由に活動するには、非物質的な精神体「アストラル体」となる必要があります。
魔法使いは一時的に精神をアストラル体として投射出来ますが、あまり長時間の滞在はできません。
逆に精霊は元来物理的な実体を持たず、普段はアストラル体としてこの世界にとどまっています。
そして、そのどちらにも当てはまらないのが「二元生物」です。この種の生物は常時アストラル体と実体が併存しており、切り替えることができません。

地球のマナ

アストラル体は物理存在を透過できますが、地中に侵入することはできません。地球自体が一個の巨大なアストラル体だからです。
逆に地球のマナが及ばない成層圏外に出ると、魔力的な虚無に晒されたアストラル体は即座に死亡します。

アストラル界の監視者

魔法捜査官
各捜査機関に在籍し、魔法的な犯罪に対処する捜査官です。
アストラル空間に遺された霊紋、術者と対象の間の魔法的なリンクなどを辿って犯人を追い詰めていきます。
ダンケルザーンの遺言を受けて発足したこの組織はアストラル空間の汚染や悪用に目を光らせており、ときにランナーを通じて事態の解決に当たります。

アストラル・ルール

ここからはゲームルール的な観点からアストラル界を解説していきます。

アストラル知覚

魔法使い(と一部のアデプト)は「アストラル知覚」を通して、現実世界の側からアストラル界を覗き見ることができます。
のみならず、訓練(霊視)を積めばアストラルの映像から様々な情報を引き出すことができるのです。


クリックで拡大
運用例
メイジのスティーブンは依頼人に不信感を抱いた。一見冴えない優男だが、どうも怪しい。
<霊視>判定で依頼人のオーラを分析した結果、全身にサイバーウェアをインプラントしているのが分かった。
だがこの行動は悪手だった。相手もこちらが<霊視>で自分を見ているのに気づき、オーラがみるみる不機嫌な色に染まっていく…。
スティーブンは魔術的な痕跡を探るため、知覚をアストラルに切り替えた。
睨んだ通り、なんらかの霊紋が残されている。彼は<霊視>判定によってそれを分析することとした。
高ヒットにより、その霊紋が《魔力破》の使用によって生じたものだと分かる。また呪文が発動してからそれほど時間が経っておらず、術者とのアストラル・リンクが残ったままだ。
スティーヴンは更なる<霊視>によってこのリンクを辿り、犯人の追跡を試みることができる。

アストラル体

魔法使いは肉体から精神を切り離し、アストラル体となってアストラルに飛び込むことが出来ます。
偵察などに役立つ能力ですが、アストラル界側から現実世界に直接干渉することは出来ず、精霊や二元生物などの驚異に警戒しなくてはなりません。


クリックで拡大
運用例
ターゲットのギャングは下水道に逃げ込んだようだ。相手に魔法使いがいないのは調べがついていたので、スティーブンがアストラル投射で偵察を行う。
彼はアストラル体となって下水を駆け巡り、わずか数十秒でターゲットを見つけ出した。が、ここで悪い予感が当たった。下水道に棲むグールに発見されてしまったのだ。
グールは二元生物なのでアストラル体を攻撃できる。逆にこちらも応戦可能だが、騒げばターゲットに気づかれてしまうだろう。
スティーブンはなんとかこの場を切り抜けて元の肉体に戻ろうと試みる。

出典

Shadowrun Wiki
Shadowhelix(ドイツ版wiki)
ストリートマジック(シャドウラン4版サプリメント)

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます