ドラゴンと覚醒生物

「覚醒」が人類に変化をもたらしたのと同様に、動植物にも魔力の影響を受けた「覚醒生物」が誕生しました。
シャドウランの不可侵の代名詞「ドラゴン」を筆頭に、人間社会に加わって生活している者もいます。

ドラゴン

「ドラゴンには絶対かかわるな」の警句通り、第六世界における不可侵の代名詞です。
彼らは「覚醒」以前からこの世界に存在した生物であり、身体的な能力のみならず、経済的、社会的にも(むしろそれらの点がより優れた)人類の上位存在です。
なかでも悠久の年月を生きた「グレートドラゴン」は単体でメガコーポに匹敵する力を持っています。
大抵のドラゴンは人類への変身能力を持つため社会生活に不自由しませんが、脳構造が異なるためか仮想現実(VR)マトリックスを楽しむことはできません。
またドラゴン形態では念話(ドラゴンスピーク)によって「会話」を行うため、カメラ越しに意図を伝えるための「通訳」を雇っている場合がほとんどです。

ドラゴンの種別

  • ウェスタンドラゴン:ヨーロッパ圏でイメージされる、首の長い四足のドラゴンです。
  • イースタンドラゴン:アジア地域で見られる、背びれを持つ蛇のようなドラゴンです。
  • フェザード・サーペント:中南米のケツァルコアトルのような、羽毛を持つ蛇型のドラゴンです。

著名なドラゴンについて

人物名鑑を参照してください。

知性種

知性を持ち人類とコミュニケーション可能な種族です。フランスをはじめ、多くの国で基本的人権を認められています。
支配者として君臨していることも珍しくありません。

サスカッチ Sasquatch

基本ルールブックも参照のこと。地域によってはイエティとも呼ばれます。
身長約3m、体重500kgに迫る毛皮を持つヒューマノイドで、2042年に国連から知的種族として認定されて以来、都市部でもしばしば見られるようになりました。
平均寿命は約75歳前後。音声言語を嫌い手話で会話を行う一方で「音」に関する認識能力が並外れており、人間社会では歌手や音響技術者として活躍しています。
シャーマンやアデプトの能力を持つ個体も少なくありません。

シェイプシフター Shapeshifter

メタヒューマン(人類)への変身能力を持つ覚醒動物です。世界人口の2%弱を占め、多くが魔法使いとしての素質を持ちます。
動物形態の彼らは平均より大型であったり目立つ体色をしている場合が多く、発声機能を持ちません。変身時は体毛や瞳孔、牙などに元の特徴が反映されます。
肉体の構造が異なるため人間用の臓器移植や身体改造には向かず、マトリックスの仮想現実機能も使えません。また多くは銀製品に対するアレルギーを持っています。
シベリア地域にはシェイプシフターの支配する「ヤクート」があります。
人類の活動域は厳しく制限され、メガコーポもあまり好き勝手できません。

セントール Centaurs

覚醒した馬であり、基本的に馬の頭、人の上半身、馬の下半身を持っています。
主に北米とヨーロッパに生息し、独自の部族文化を築いています。
セントールは基本的に人間と交わることを望みませんが、もちろん一般社会に溶け込み、都市生活を送っている者もいます。
セントールの中には人の頭と人の上半身を持った「レッサー・セントール」と呼ばれる個体がしばしば生まれてくることがあります。
レッサー・セントールは部族の中で被差別対象となり、多くは生まれてすぐ追放刑を受けるため、誰かに拾われたりして生き延びた者がシャドウランナーとして活動することもあるでしょう。

メイスターシンガー Meistersinger

メイスターシンガーは覚醒によって人間と変わらない知性を得たザトウクジラであり、一見して非常に穏やかで、寛大で、思いやりある生き物に見えます。
彼らはドラゴンや海を汚すメガコーポと対立し、不必要な殺しを行わず、対話によって多くの人間を味方につけてきました。
とはいえ、彼らは強大な魔力を持っています。テレパシーや念動力、洗脳、海洋生物の自在操作、非魔法的なあらゆる攻撃を弾き返す魔法のバリア、
巨大な津波を自在に作り出す能力、超広範囲を粉砕する音波攻撃といったパワーを操る生きた戦艦であり、戦うとなれば恐ろしい存在に早変わりします。
また、『非常に穏やかで、寛大で、思いやりある生き物』という評は、彼らのテレパシーを受け、"自然の偉大さに目覚めた"人々の言葉なのを忘れてはなりません。

メロウ Merrow

我々が思う"半魚人"や"人魚"そのものであるメロウは、上半身は鱗に覆われた人間、下半身はクジラ類のような尾びれになっている生き物です。
目は大きく黒目がちで、胸にはエラがあり、体色をある程度変化させることができます。優れた魔法使いが多く、人間が知らないような太古の魔術に通じていることがあります。
メロウは海底に都市を築いており、その深さは深海3000メートルに達することもあります。
メロウの言葉は人間には発声不能なものであり、可聴領域の範囲外の音と体色の変化を含んでいるため、メロウ以外の種族がメロウ語を話すには専用のソフトウェアが必要となります。

ナーガ Naga

キングコブラ・アナコンダ・ニシキヘビなど多様な蛇から覚醒した、体長10メートルを越える知性ある蛇です。南米及び東南アジアが主な生息域です。
ナーガはアンコール・ワットに独自の文明を築いており、インドや東南アジアなどの国々では神の使いとして崇められています。
牙は猛毒を持ち、念動力によって道具を操ることができるナーガは一部のメガコーポにとっては優れた警備戦力であり、いくつかのメガコーポは彼らを戦闘要員として雇っています。
ただし、彼らは冷血動物のため、寒さに弱く、寒冷な北米ではほとんど姿を見られません。

ピクシー Pixie

ピクシー、あるいはフェアリーについて分かっていることはそれほど多くありません。
体長50cmほどの透明な羽を持つエルフのようなヒューマノイドで、アップベフ(Upvehu)という独自の言語を使用し、フランスのブルゴーニュ地方、ティル・ナ・ノーグなどのごく限られた地域に生息しています。
(フランスでは通常のSINを、ティルナノーグでは犯罪者相当のSINを発行しています)
イーヴォにおいては彼らを企業市民として迎え入れているようです。

非知性種

本能に従う動物の域を出ず、危険な害獣として人間社会を脅かしています。
彼らの存在によって人類の居住地域が狭まった一方で、セキュリティ生物として人間に利用されることもあります。

インキュバス Incubus

インキュバスは体長5メートルに達する巨大なタコによく似た陸生の生き物です。その触腕は先端にある鉤爪を含めれば差し渡しで6メートルにも達します。
インキュバスの触腕には鉤爪だけでなく強力な吸盤が付いており、壁面や天井に張り付いて自在に動くことや獲物を掴むことが可能であり、この触腕で捕まえた獲物は胴体の中心にある強力なからすとんびへと運ばれ、噛み砕かれます。
インキュバスの最大の特徴は他人が心の底で望んでいるものの幻影を見せる能力です。
例えば金に困った人間の前にはゴールドのクレッドスティックや企業通貨がいっぱいに詰まったカバンなどとして、恋人を失ったばかりの相手の前には復縁を呼びかける恋人の姿として、飢えた人間の前には保存食の山としてインキュバスの操る幻影は現れます。
不用意にこの幻影に近づいたものは、インキュバスの強力な触手に巻き付かれて骨をへし折られ、そのまま絞め殺されて餌にされてしまいます。

エック・ウィスケー Each Uisge

ケルピーとも呼ばれる、ヨーロッパ全域に生息する覚醒ウマです。淡水から汽水域にかけて生息し、水陸の両方で呼吸を行えます。
エック・ウィスケーの捕食は非常に変わったもので、人間を見かけると近づいていき、自分の背中に乗るように腰をかがめます。
もし人間が乗った場合、このウマの肌は膠質の粘着液を分泌し始め、たちまち体をくっつけてしまいます。そのままエック・ウィスケーは水中に潜り、人間を溺れ死なせ、貪り食います。
獲物が引っかからなかった場合、エック・ウィスケーは牙をむき出し、獲物に向かって突進を掛けます。エック・ウィスケーはオークやトロールの肉を好まず、エルフやヒューマンの肉を好んで喰らいます。

ガーゴイル Gargoyle

コウモリのような羽、石のような頑丈な灰色の肌、鉤爪を持つ夜行性の肉食動物です。その体長は2メートル、体重200キログラムに達します。
ガーゴイルは危険な捕食動物であり、人間を始めとした大きな肉に向けて集団で襲撃を行います。
彼らは毒性の息を吐き出す事ができ、吸入した場合には激しい目眩と悪心に襲われます。
主に管理が十分行われていない都市の廃墟などに群れで生息し、夜になれば獲物を探して空を飛び回り始めます。

クラーケン Kraken

体長55メートル、うち触手の長さ30メートルの超巨大な覚醒ダイオウイカです。胴体はチョッカクガイのような分厚い貝殻で覆われており、小火器程度であれば簡単に弾き返してしまいます。
基本的に深海生物であり、ほとんど海面に上がってくることはありません。が、攻撃性が強く、もしも海上で出会った場合、漁船どころか戦艦にすら触手を絡みつけ、水中に引きずり込もうとします。
頭足類のもつ擬態能力をかなり高いレベルで持っており、体色を周囲の環境に合わせて自由に変化させるため、巨体でありながらも襲撃の直前までその姿を隠すことができます。

ケルベロス Cerberus Hound

覚醒したイヌであるケルベロスは、伝説通り3つの頭を持つ猟犬です。
体格は一般的な大型犬に比べてもかなり大きく、体高120センチ、体重は110キログラムに達します。
3つの頭はあまり狩りを行う上では役立っていないものの、ケルベロスは通常のイヌと比べて非常に高い反射能力を持っており、さらに口から強酸性の液体を吐き出したり、自分の姿を消したり、一度見た相手を捜索したりする能力を持ちます。
ケルベロスは非常に珍しい動物ですが、一部の警備企業が警備用に飼育していることがあります。

コカトリス Cockatrice

基本ルールブックも参照のこと。背の高さ2メートル、1メートルの蛇のような尾を持つ、エミューによく似た姿の覚醒ニワトリです。
ニワトリと同じように飛べないものの、かなり攻撃的であり、尾に触れた生き物を麻痺させる力を持ちます。
ニワトリ並に卵を産み、簡単に育つ上に調教しやすいため、多くのメガコーポがこのクリッターを警備動物として取り入れています。

サンダーバード Thunderbird

山岳地帯に生息する巨大な猛禽の覚醒種です。その活動範囲は数百キロにおよび、雷雲の中を好んで飛ぶ姿からその名をつけられました。
体内に発電器官を持っていて、電撃を放って狩りをしたり、死に際に爆発することもあります。
サンダーバードの集団は雷雨を呼び寄せるという噂もあります。

デビルラット DevilRat

基本ルールブックも参照のこと。ネズミの覚醒種で、人間の多い都市部で大量に見られます。
体長1mほどで体毛が一切生えておらず、青白く皺くちゃな皮膚を持つ醜悪な姿をしています。また日光に対してアレルギーを持ちます。
「覚醒」前と同様に病気を媒介するため、多くの都市で定期的な駆除が行われていますが、繁殖力が強くほとんど成果を挙げられていません。
報奨金(あるいはタンパク質)目当ての浮浪者が狩ったり狩られたりする姿は、第六世界の貧民街ではありふれた光景です。
SURGE種(亜種)
デーモンラットなどの亜種が確認されています。

ノヴァ・スコーピオン NovaScorpion

キョクトウサソリの覚醒種です。体長1.1m、体重は30kgに達し、ひと刺しでオークを、ふた刺しでトロールを即死させる猛毒を持ちます。
基本的に臆病な生き物であり、巣穴の中に数匹から十数匹の群れを作って過ごしています。
メガコーポはこのサソリの毒を暗殺や陰険なトラップに使います。また、しばしばこの巨大サソリを無人施設に大量に放って警備動物にしています。

ハーピー Harpy

コウモリの覚醒種です。牙を剥く人間のような顔で、翼を広げれば優に6mを超えます。
腐肉食ですが生きた生物を襲うこともあり、洞窟や高層ビルの廃墟に作った巣に殺した獲物を持ち帰ります。
彼らの牙は様々な病原菌の温床です。

バジリスク Basilisk

覚醒コモドドラゴンであるバジリスクは、世界で最も人気のある警備クリッターであり、世界中の企業が繁殖して番犬の代わりに使っています。
体長は1.5メートルほどで、背中には扇状の背びれが付いています。口にはサメのような歯がびっしりと生えており、一度噛みつくと簡単に離れません。
バジリスクは睨みつけた生物を石の塊に変えてしまう能力を持ち、石化させた獲物を強力な顎で砕いてから元の肉に戻し、捕食します。
あまりにも野放図に増殖した結果、大量のバジリスクが野に放たれたため、企業裁判所は2053年より繁殖能力を残したままでバジリスクを飼うことを禁じています。

ピアズマ Piasma

ピアズマは気性が荒く縄張り意識が強い覚醒ヒグマであり、その体長は3メートル、体重は400キログラムに達します。
もととなるヒグマよりはるかに強靭な体と高い筋力、そして装甲車並みに頑丈な皮膚を持つピアズマはその膂力を自分の許可なしに縄張りに入り込むあらゆるものに対してふるいます。
これはメタヒューマンや他のピアズマに限ったことではなく、張られたテントや乗り捨てられた自動車などの無生物ですら、縄張りに放置されていたなら体当たりと爪、牙によってめちゃくちゃに破壊します。
ピアズマは森に住んでいるものの、縄張り争いに負けてバーレンなどに現れることがあります。
そのようなピアズマは飢えて凶暴になっており、さらにメタヒューマンの血の味を覚え、彼らが容易に狩ることが可能な獲物だと知れば躊躇なく襲いかかります。

ヒュドラ HydraWorm

9つの頭を持つオオミズトカゲの覚醒種です。体長は10メートルを超え、住処である河川に近づいた人間や家畜を餌にします。
口からは火を噴き出し、猛毒を持ち、高速で肉体を再生するという、ヘラクレスの伝説そのままの能力を持っており、極めて危険な生き物です。
大変攻撃的で、動くものを見れば9つの首から繰り出される矢継ぎ早の攻撃を仕掛けていきます。

フェニシアン・バード Phoenician Birds

不死鳥、火の鳥、鳳凰などと呼ばれる美しい燃える鳥の総称です。
東アジア及びアフリカに生息するクジャク(黄金色の火を纏っている)、北/中央アメリカのショウジョウコウカンチョウ(真紅の炎を纏っている)、アジアのゴクラクチョウ(白い炎を纏っている)、北アフリカのヘビクイワシ(赤黒の炎を纏っている)、ヨーロッパのニシブッポウソウ(青い炎を纏っている)という種類を持ちます。
覚醒クジャクは比較的おとなしいものの、他のフェニックスは基本的に攻撃性が強く、特にショウジョウコウカンチョウから覚醒したものは建物に放火することで簡単に大量の餌を得られることを覚えたため、かなりの被害を出しています。
フェニックスの羽は強力な魔術の原質となるため、密猟や違法なペット取引が跡を絶ちません。

ベヒモス Behemoth

体長5メートル、体高3メートル、体重2トンに達する覚醒クロコダイルです。全体的な特徴は「ワニの着ぐるみを着たカバ」に例えられ、ワニのように腹這いをせず恐竜や哺乳類のようにまっすぐ足を伸ばして歩くことができます。
その頭部からは象のように長い牙が突き出しており、頭を振り回すことで鋼鉄すら簡単に貫いてしまいます。
表皮は装甲車以上に頑丈であり、投槍どころかアサルトライフルから発射される7.62mm弾を平然と弾き返します。くわえて、陸上では馬並みの速さで移動できるほか、水中でも素早く泳ぎ回ることができます。
ベヒモスは獲物を見つけると突進をかけ、牙で突き刺してから水中に引き込み、捕食を行います。とくに繁殖期には凶暴になり、縄張りに入ったあらゆるものを襲います。

ヘルハウンド Hellhound

基本ルールブックも参照のこと。ジャーマン・シェパードの覚醒種で、真っ黒な毛皮と眼の周りの赤い縁取りが特徴です。多くは群れによる狩りを行います。
火への耐性を持ち、また自身も火を吐いて敵を攻撃することで知られています。
多くの企業でセキュリティ生物として利用されていますが、個人所有は多くの場合違法(F)となります。

ヤウへカッファ― JAUCHEKAFER

体長80センチメートルを超える巨大な覚醒ゴキブリです。オスの頭部からはクワガタムシのようなハサミが生えており、群れで行動します。
ヤウヘカッファーはどんな汚染物質でも食べて、無害にすることが出来る極めて有益な昆虫です。
その消化器官は特別製のもので、重金属その他のあらゆる有毒物質が混じったヘドロやゴミの山を問題なく消化し、無害な糞に変えることができます。
ヤウへカッファーは摂取した重金属や劇物を生物濃縮し、それを噛み付いた相手に注入することで自己防衛を行います。
適切なフェロモンを使うことである程度行動を操ることができるため、一部のメガコーポは汚物処理のついでに警備動物としてもこのゴキブリを大量繁殖しています。

リヴァイアサン Leviathan

体長20メートル超の覚醒シャチです。群れで狩りをし、獲物となるあらゆる存在を狙います。
非常に狡猾であり、サスカッチのように他の動物の声真似をする能力を持ちます。
主に真似られるのは他のクジラ類の鳴き声やエコーロケーションですが、無線通信や人の話し声、音楽、汽笛などの音を模倣して船を襲撃することがあります。

汚染生物

環境汚染や戦争、死などによって起こった背景放射に長期間さらされた生命は、その場の魔力によって異形の姿に変異してしまうことがあります。
こうした汚染生物は概ね危険な存在であり、自身の生存範囲を広げるために汚染を広げ、積極的に他の生命を攻撃します。

グロウラット Glowrat

放射性汚染物質がろくにシールドされずに廃棄された場所、すなわちレドモンドのグロウシティなどに出現する覚醒ドブネズミです。
ネズミの原型はほとんど留めておらず、手足は昆虫のように長く伸び、ヤツメウナギのような円形の口からデタラメに歯が飛び出し、目は複眼となっています。
グロウラットは核汚染物質と胃酸と痰を混合した液体を口から吹き付けることができ、命中するとほぼ確実に被曝します。

シーリーチ Sea Leech

汚染された海域に出現するシーリーチは奇怪な触手の塊のような怪物です。変異が多く、非常に様々な形を取りますが、概ねミミズのような胴体の先に、デタラメに生えた触手とヤツメウナギに似た牙だらけの口が付いているのが特徴です。
体長は平均すれば10メートル程度、体色は青ざめた白色から黒褐色、口の数は1つから10個であり、触手の数は0本から100本まで、ヒレを持っているものも陸上を這い回る腹足を持っているものもいます。
シーリーチはサメのように血の匂いを嗅ぎつけますが、非常に鋭敏な感覚を持っており、水中で1km先から流された血も嗅ぎつけて襲ってくることがあります。
時折下水道などに適応した個体が都市部に出現することもあり、大騒ぎを起こします。

ヘルカウ Hellcow

汚染の背景放射がある環境では、母牛はある特殊なプリオン病に罹患することがあります。そうした母牛から生まれてきた仔牛はヘルカウとなります。狂牛病と同じくプリオンによってその脳は萎縮し、皮はアルマジロのよう、ダラダラとよだれを垂らす異常に巨大な口にはぎっしりと歯が詰まっています。
ヘルカウの唾液は強酸性で、目に入ったあらゆる存在を食べようとします。金属や木材までたちまち食べてしまうヘルカウが最初に食べるのは、概ね自分を産んだ母牛です。

パンダモニウム Pandamonium

パンダモニウムは五行公司が行った「ジャイアントパンダ復活計画」の産物です。五行がどのような方法でこのバイオパンダを作ったのかは闇の中ですが、おそらく二度と絶滅の危機にさらされることはないでしょう。なにしろ、パンダモニウムは一見可愛らしいジャイアントパンダに見えますが、その実態はどんなヒグマよりも凶暴で危険な生き物なのです。
パンダモニウムは通常のジャイアントパンダの1.5倍ほど大きく、よく見れば目は血走っており、鉤爪が目立ち、笹ではなく肉を好んで食います。
彼らはイカやカメレオンのように白黒の体色を変化させ、完全に周囲の環境に溶け込んで透明化することができます。竹やぶの中ではパンダモニウムはほとんど音を立てずに動くことができ、不用意に近づいたあらゆる者をバラバラに引き裂いて食べます。

ブリンクスロース Blink Sloth

"怠けないナマケモノ"であるブリンクスロースは、世界で最も速い生き物です。見た目はごく普通のナマケモノと変わらず、普段は殆ど動くことがありませんが、その素早さはチーターどころか、強化され尽くしたストリート・サムライをも軽々と超えます。
飛んでくる弾丸は見てから避け、振り回す爪はあまりにも素早いため重装甲をバターのように裂きます。あまりにも高速で動くため、この生き物は色付きの風か、それともテレポートを繰り返しているようにしか見えません。
ブリンクスロースはゼーダー・クルップ重工が行った、アマゾンでの違法な汚染物質投棄が原因で生まれました。

テクノクリッター

魔力ではなく、テクノマンサーのように共振力によって覚醒した生命体です。
本能的にマトリックスに接続し、獲物を狩るために機器を操作したり、さまざまな奇怪なバグの原因を作ったりします。
猫や犬といった家畜から変異した一部のテクノクリッターは、ペットとして珍重されています。

バステト Bastet

共振力に覚醒したイエネコです。猫の好奇心をそのままに、電子世界へのアクセス能力を獲得しているため、しばしばとんでもないいたずらを引き起こします。
電脳世界も猫のようにあるき回り、ホストの中に忍び込んだり、電子機器を操作して狩りを行います。
非常に大変な手続きと、かなりの新円が必要となるものの、バステトはペットとして飼うことができます。

モングレル Mongrel

共振力に覚醒したイヌです。周囲の機器を文字通り"嗅ぎ取る"、マトリックス知覚能力に長けています。
また、縄張りの機器に文字通りマーキングを行って操作したり、相手の電子的な痕跡を追いかける能力も高い特徴があります。
モングレルはおおむねイエイヌを原種としますが、ジャッカルやコヨーテ、オオカミ、キツネなどの動物もモングレルになりえます。

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